どーも。疑問のミナージュです。
■市営住宅に「そのまま住み続けたい」というご主人の願い
あるご夫婦が、奥様名義で京都市の市営住宅に6年暮らしていました。
その後、夫婦は何らかの理由で離婚されましたが、関係性は続き、離婚後も同じ住まいで暮らしていたそうです。
しかし、奥様が先に亡くなられ、ご主人ひとりが住宅に残る形になりました。
ご主人としては、これまで6年間暮らしてきた住まいで、今後も生活を続けたいという強い意向があります。
ところが、市営住宅の管理課に相談すると
「あなたは不法滞在になるので、退去してもらうほかない」
と、頭ごなしに説明されたとのことでした。また新たに市営住宅を公募申し込むしかないとのこと。
■本当に退去しか道はないのか?
ご主人としては家賃も払える状況であり、生活に大きな問題があるわけではありません。
それにもかかわらず、名義人が亡くなったという理由だけで「不法滞在」と扱われ、退去を求められることに強い疑問を感じています。
市営住宅は、本来 「本当に困っている人を支えるための住宅」 であるはずです。
離婚していたとはいえ長年同居し、家族としての生活が続いていたという事実は変わりません。2人の間にはお子さんも3人います。
そこに住み続けたいと望む人に対して「不法滞在」という言い方は、果たして適切なのでしょうか。
■行政対応と税金の視点から見える矛盾
管理課の説明は「退去してもらうしかない」という一点張りだったそうです。
しかし、ご主人を無理に退去させれば、引っ越しの費用が発生し、場合によっては生活保護でその費用を負担することになります。
これは、そのまま住み続けられる人を追い出すことで税金が余計に使われるという矛盾でもあります。
■本来あるべき市営住宅の姿とは
家賃も滞りなく支払えるのであれば、
名義変更や特別承認など、本人が住み続けられる方向で調整するほうが、市営住宅の本質にかなっているのではないか
というのが私の考えです。
市営住宅は国や自治体が運営・提供している公的な住まいです。
だからこそ、形式だけを理由に退去を迫るのではなく、
「その人にとってより良い生活の継続ができるか」という視点を持つべきではないでしょうか。
私はこの問題を、市営住宅の運営・管理に関わる行政にも強く訴えたいと思っています。
私は民間の不動産会社を経営しています。
商売という観点で言えば、市営住宅の問題はむしろ逆の立場にありますし、民間賃貸に入っていただいた方が利益になるのは事実です。
しかし、住宅を扱う者として、その方が「どうすれば幸せに暮らせるのか」を第一に考えるのは当たり前のこと だと考えています。
そして、もし現行の法律や仕組みが現実に合っていないのなら、それは変えるべきです。
今回の一件は、ひとりの人間として見ても、非常におかしいと感じました。
その思いから、この問題を記事として取り上げました。

